活気あるソウルの夜景を見下ろすモダンなオフィスで、若くダイナミックな起業家チームがホワイトボードを囲んで協力している。イノベーションの精神と、成功したテックスタートアップの背景にある人間の情熱を捉えた画像。

Datumo、1550万ドル(約23.3億円)を調達——エンタープライズAIモデル評価のパイオニアとして市場に挑む

August 12, 20255 min read

Datumo、1550万ドル(約23.3億円)を調達——エンタープライズAIモデル評価分野で世界市場に挑む

先進的AIテクノロジー企業のDatumoは、1550万ドル(約23億2,500万円)の資金調達を完了したと発表しました。本ラウンドには、Salesforce Ventures、KB Investment、SBI Investmentなど有力投資家が参加し、累計調達額は約2800万ドル(約42億円)に達しました。

今回の資金は、同社が注力するAIモデル評価分野でのリーダーシップ強化に充てられます。Datumoは、企業がAIシステムを安全かつコンプライアンスに準拠した形で運用できるよう、信頼性の高い評価ツールを提供しています。マッキンゼーの調査によれば、AIの「説明可能性」を主要なリスクと認識している組織は40%に上る一方、その軽減に積極的に取り組む企業はわずか17%にとどまっています。Datumoの事業は、まさにこのギャップに対応するものです。

事業の進化:データアノテーションからAI信頼性のリーダーへ

Datumoは2018年、SelectStarの名称でAIデータラベリング事業からスタートしました。創業者のDavid Kim氏と、韓国科学技術院(KAIST)卒業生5名によって設立され、当初はAI学習に必要な高品質データの準備という課題解決に注力していました。

しかし、Samsung、LG、Hyundaiといった大手企業を含む法人顧客から、AIモデルの出力評価や他システムとの比較を求める声が高まり、同社は戦略的にAI信頼性・安全性分野へ事業をシフト。現在は300社以上にサービスを提供し、2024年の売上は約600万ドル(約9億円)に達しています。

差別化戦略:「Datumo Eval」による包括的AI評価

同社の主力製品「Datumo Eval」は、AIモデル評価のためのフルスタックソリューションです。テストデータ生成を自動化し、複雑なコードを書かずに、不安全・不公平・不正確な応答を体系的に検証できます。

また、ノーコード設計により、法務・コンプライアンス・信頼性管理など非技術部門でも自律的にAIモデルの検証や監視が可能です。さらに、出版物から抽出したライセンスデータセットを活用し、構造化された人間の思考に基づく豊富なデータソースを提供しています。

今後の展開:研究開発とグローバル進出

調達資金は、エンタープライズ向けAIの高度な要求に応える自動評価ツールの開発加速に充当されます。同時に、日本や米国を含む主要国際市場への進出も本格化させる方針です。現在ソウル拠点に150名を擁し、2025年3月にはシリコンバレーに戦略拠点を設立。世界規模でAI信頼性・安全性ソリューションの提供を拡大していきます。

まとめ:AI導入からAIガバナンスの時代へ

今回の発表は、AI活用の焦点が「導入」から「品質と信頼性の確保」へ移行したことを象徴しています。AIの出力が安全かつ公平であるかを評価・管理するAIガバナンスは、企業の競争力やブランド価値に直結する経営課題となりつつあります。

今後、企業は技術実装に加え、その意思決定プロセスをいかに評価・統制するかという視点を戦略に組み込む必要があります。Datumoの台頭は、AI活用の成否が技術部門のみならず、コンプライアンスや事業部門を含む全社的な取り組みに依存する時代の到来を示しています。

最新ニュースは以下をご覧ください: https://aipulse.jp/blogs-3259-8285

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