
LayerX、1億ドル(約150億円)の資金調達を実施―インテリジェントオートメーションで企業の変革を牽引
LayerX、シリーズBで1億ドル(約150億円)を調達 ― インテリジェントオートメーションで企業変革を加速
株式会社LayerXは、シリーズBラウンドにおいて1億ドル(約150億円)の資金調達を実施したことを発表しました。本ラウンドはTechnology Cross Ventures(TCV)が主導し、調達資金はAI搭載SaaSプラットフォームの事業拡大に活用されます。LayerXはインテリジェントオートメーション(intelligent automation)の分野を牽引し、日本企業が直面する経営課題の解決を支援しています。同社が掲げるAI自動化のビジョンは、効率化と成長を求める市場ニーズに的確に応えるものです。
自動化推進が求められる背景
日本企業を取り巻く環境は複雑化しています。高齢化に伴う労働力不足、慢性的な人材不足、さらに2023年に導入されたインボイス制度など、デジタル化対応の必要性が急速に高まっています。加えて、従来型産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の成功率がわずか4%にとどまっている現状は、課題の深刻さを物語っています。こうした状況を背景に、成果につながる先進的な自動化技術への期待はかつてないほど高まっています。
バックオフィスを変革する統合プラットフォーム
LayerXは、財務、調達、人事といったバックオフィス業務の自動化を包括的に支援するソリューションを提供しています。主なプロダクトは以下の3つです。
バクラク:
経費精算、請求書処理、法人カード管理を含む支出管理の自動化プラットフォーム。すでに15,000社以上に導入済み。
Ai Workforce:
企業内データを活用し、複雑な業務プロセスを最適化する生成AIソリューション。
Alterna:
三井物産株式会社との戦略的パートナーシップにより開発されたデジタル証券投資プラットフォーム。
AIを活用した自動化の推進
「バクラク」の強みは、AI技術を前提に設計された優れたユーザー体験にあります。LayerXは、AIエージェントやAIを活用したBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)分野への投資を拡大し、自動化機能を継続的に進化させています。十数名以上のCTO経験者やKaggleグランドマスターを含む精鋭チームが、その技術基盤を支えています。
急成長と市場での評価
LayerXは導入企業数を1年余りで10,000社から15,000社へ拡大させ、従業員数も約430名に倍増しました。売上高は日本のSaaS企業史上最速のペースで100億円(約6,800万ドル)に到達しつつあります。三菱UFJ銀行、帝国ホテル、積水化学工業など、業界を代表する企業による採用が成長を後押ししています。
2030年に向けたビジョン
LayerXは、2030年度までに年間経常収益(ARR)1,000億円(約6億8,000万ドル)の達成を目標に掲げています。その半分はAIエージェント事業による収益を見込んでおり、2028年までに従業員数を約1,000名に拡大し、マーケットリーダーとしての地位を確立する計画です。
まとめ
LayerXの急成長は、一企業の成功を超え、日本企業が直面する構造的課題に対してAI自動化が有効な解決策であることを示しています。バックオフィスの効率化は、単なるコスト削減ではなく競争力を左右する戦略的な取り組みへと変化しています。AIは企業の業務プロセスを再定義し、従業員が付加価値の高い仕事に集中できる環境を実現します。今、経営者に求められているのは、この潮流を的確に捉え、自社の変革を加速させることです。